プロ野球において一つの指標として親しまれている「WHIP」をご存知でしょうか?
WHIPは投手の評価項目の一つで、非常に分かりやすく簡単な指標であることから、イメージのしやすい指標でもあります。
今回はその「WHIP」についての解説、2017年シーズンのWHIPランキングやWHIPの問題点をまとめていきたいと思います。
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WHIP(ウィップ)とは「1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数値」
一言で言ってしまえば、WHIP(ウィップ)とは「1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数値」となります。
それでは早速その詳細について確認してみましょう!
WHIPの解説
- 英語表記:WHIP or Walks plus Hits per Inning Pitched
- 算出方法:(与四球 + 被安打) ÷ 投球回
WHIPは「1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数値」です。
WHIPの数値が1であれば、毎回1人のランナーを出す、WHIPの数値が2であれば毎回2人のランナーを出すといった数値になります。
WHIPの評価
評価 | 数値 |
最も良い | 1.00 |
非常に良い | 1.10 |
良い | 1.25 |
普通 | 1.32 |
平均以下 | 1.40 |
悪い | 1.50 |
非常に悪い | 1.60 |
こちらがWHIPによる評価となります。
最も良いとされる評価で1.00、非常に悪いとされる評価で1.60と、範囲自体は非常に狭いです。
それでは実際に2017年シーズンの投手のWHIPを見てみましょう!
なお、データはデータで楽しむプロ野球を参考としています。
2017年度パ・リーグ投手成績 WHIPランキング TOP3
順位 | 球団 | 選手名 | WHIP |
1 | 西武 | 菊池 雄星 | 0.91 |
2 | 楽天 | 岸 孝之 | 1.02 |
3 | 西武 | 野上 亮磨 | 1.06 |
パ・リーグWHIPランキングの1位は最多勝・最優秀防御率のタイトルを獲得した西武の菊池投手です。
こうした指標においてもランキング1位ということからも、球界を代表する投手であることがわかりますね。
そして、楽天の岸投手、西武の野上投手と続きます。
いずれの選手も確かにあまりランナーを許しているイメージがない投手ですね。
(何となく西武色が強いランキングですね(笑))
2017年度セ・リーグ投手成績 WHIPランキング TOP3
順位 | 球団 | 選手名 | WHIP |
1 | 巨人 | 菅野 智之 | 0.85 |
2 | 巨人 | マイコラス | 0.98 |
3 | 阪神 | 秋山 拓巳 | 1.09 |
セ・リーグWHIPランキングの1位はやはりこの人、巨人のエース菅野投手です。
こうしてみると1位と2位は巨人という・・・。
菅野とマイコラスがいるチームだから、そりゃ強いんだろうなぁ(遠い目)となってしまうランキングですね。。
ちなみにWHIPランキングの5位には巨人の田口投手(WHIP:1.22)がランクインしています。(追い打ちをかける)
パ・リーグ球団別守護神WHIP
上記でご紹介したWHIPのランキングは規定投球回に到達している先発投手のみのランキングとなっています。WHIPの意味する「1投球回」というポイントから、守護神のWHIPに着目してみます。
以下がパ・リーグ球団別守護神のWHIPです。
球団名 | 選手名 | WHIP |
ソフトバンク | デニス・サファテ | 0.67 |
西武 | 増田 達至 | 0.96 |
楽天 | 松井 祐樹 | 1.08 |
オリックス | 平野 佳寿 | 1.27 |
日ハム | 増井 浩俊 | 1.10 |
ロッテ | 内 竜也 | 1.31 |
一人だけ突出しておかしい数字となっています。
鷹の守護神、デニス・サファテ投手です。
その数値で見るとオリックスの平野投手やロッテの内投手は、サファテ投手の倍のランナーを毎回出していることとなります。
両投手とも決して悪いWHIPではないにもかかわらず、圧倒的に見劣りしてしまう・・・。それだけサファテ投手が凄いという事ですね。
オリックスの平野投手はメジャー行きを表明し、無事にダイヤモンドバックスと契約を行いました
WHIPの数値が投手の全ての評価するものではありませんが、この数字を見ると少々不安を感じてしまいますね。。
WHIPには問題点がある
ここまでWHIPについての解説、実際の数値を比較してみましたが、WHIPには考慮されていない点があります。
前述のWHIP算出方法を確認してみましょう。
- WHIP = (与四球 + 被安打) ÷ 投球回
お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、計算式には「被安打」とあります。
被安打となっている上でのポイントは、
- 長打が考慮されない
- 味方の守備(インプレー)に影響される
上記の2点となります。
長打を打たれるとそれだけ失点に繋がりやすいですが、WHIPにおいては単打と同じ扱いであるため、WHIPが低くても失点が多い投手である可能性があります。
2点目は、極端な話、味方の守備が下手であれば、それだけ安打となってしまう可能性があるという、味方の野手に依存しているという点です。
投手の指標なのにも関わらず、味方野手が影響をもたらしてしまう点が問題であるとされているわけです。
WHIPの本来意味する「1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数値」はまさにその通りではあります。
ただ、「WHIPは投手の能力を総合的に評価するもの」ではないため、WHIPだけで投手を評価するのは不適切であるとされています。
最後に
WHIPについて少しでも理解が深まったのであれば幸いです。
2017年シーズンオフではオリックス平野投手のメジャー移籍、日ハムの守護神増井投手がオリックスへ移籍といった、パ・リーグの守護神事情に動きがありました。
先に述べたように、WHIPだけで投手を評価することができませんが、単純にWHIPだけの比較をするなら、オリックスは見事平野投手の抜けた穴を補強できたと見ることも出来ます。
WHIPの数値を知ることで、また一つ違った野球の見方が出来るはずです!
自分が好きな投手のWHIPを見て、是非ニヤニヤしてみて下さい!
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