近年勢いを増しているアメコミ映画ですが、その中でもニューヒーローとして期待されているのがスパイダーマンです。
マーベル作品では歴史のある代表的なキャラクターの一人ですが、映画「アベンジャーズ」シリーズでは遅れての登場となりました。
ここでは、映画「スパイダーマン:ホームカミング」のあらすじと見どころについて、ネタバレも含めご紹介します。
あらすじ
物語の始まりは、キャプテンアメリカシリーズ第三作「シビルウォー」の後になります。
クイーンズに住んでいる主人公、ピーター・パーカーはシビルウォーの際、アイアンマンとして活躍しているトニー・スタークにその超人的な力を買われ、スカウトされます。
ピーターの持つ能力はクモに由来するスーパーパワーです。
怪力、素早さはもちろんのこと、壁に取り付く吸着能力や、頑丈で伸縮性のあるクモ糸といった彼特有の能力があります。
スパイダーマンというと、クモ糸でビルの間を自由自在にスライダーする姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
高校生にして超人的な能力を得たピーターは、トニーに力を見出され嬉々として戦いに赴きますが、若さやヒーローとしての未熟さ故に、アベンジャーズに加入することは許されず、家に帰されます。
しかし、トニーからはヒーローとして大々的な活動は認められずとも、彼に開発してもらったスーツをもらい受け、地元のニューヨークを拠点にしてヒーロー活動を行っていました。
若く経験不足ながらも、ニューヨーク市民の「親愛なる隣人」として犯罪行為を阻止するピーターですが、アベンジャーズ入りは諦めていません。
トニーの仲間であるハッピーが彼の監視役につき、アベンジャーズに繋がる唯一の手段となります。
しかし、ピーターの熱意はハッピーに伝わらず、連絡もろくに返してくれません。ピーターは徐々に鬱憤を溜めていきます。
そんなある日、ピーターはATM強盗に遭遇します。彼らの使っている武器はピーターが見たこともないようなハイテク機器でした。
なんとか対処した後自宅に戻るピーターですが、そこには親友のネッドの姿が。ピーターの自室に忍び込み彼の正体を思いがけず知ってしまいます。
ピーターの気持ちを汲み取ったネッドは口外しないことを約束しますが、スパイダーマンには興味津々でうっかり正体をばらしかけてしまうこともあります。
そんな親友ネッドとともに、片思いの相手、リズのパーティーに参加することになったピーター。
リズがスパイダーマンを好きと公言したことで、調子に乗ってスーツを着て参加しようとしますが、不穏な光を見つけた彼はヒーローとしての責任を優先して現場へ向かいます。
そこでは、先日遭遇したATM強盗が使っていたハイテク機器の密売が行われていました。犯人を追跡するピーターですが、バルチャーと名乗る敵に阻止されてしまいます。
バルチャーは今のピーターには強敵で、上空から落とされてしまいます。そこに助けに来たのがトニーです。
しかし、トニーはあくまでピーターが子どもであることを危惧し、危険な行動をしないようにときつく叱ります。
その後、再びピーターは失敗してしまい、ついにはスパイダースーツを没収されてしまいます。
一方、逃れたバルチャーはトニーに深い恨みを持っており、ハイテク機器の密売もある計画のために行っていました。
それが、アベンジャーズタワーからの引越しの積み荷を狙った強奪作戦です。バルチャーはこの計画の実行のため、8年の間様々な武器を開発していたのでした。
スーツを取り上げられたピーターはこれまで疎かにしていた「普通の日々」を見返し、憧れていたリズに告白します。
二人はホームカミングパーティに参加することになります。
リズの家にむかえに行ったピーターを出迎えたのは、なんとバルチャーでした。
彼はリズの父親で、思わずピーターは動揺してしまいます。これに気付いたバルチャーは「これ以上邪魔をすると殺す」とピーターを脅しながらも、普通の生活に戻るように背中を押します。
一度はこの言葉に従いかけるピーターですが、彼の中には幼いながらもヒーローの責任感が芽生えていました。
リズに謝り会場を後にすると、バルチャーを追いかけます。乱闘の末、積み荷を乗せていた飛行機が墜落。ピーターは荷物を敵の手に渡らせず、更にはバルチャーの命も助けます。
この功績を認めたトニーは、ピーターを正式にアベンジャーズへ加入することを決定します。
しかし、ピーターはこれまでの戦いの中で芽生えたヒーローとしての責任と自覚を持ち、あくまで自分は「親愛なる隣人」としてスパイダーマンを続けると断ります。
見どころ・注目ポイント
最大の敵が愛する人の親だった、という展開は、高校生のピーターにとってかなりの衝撃でした。
画面越しからでも彼の大きな動揺が伝わってきて、同時にピーターはまだ高校生のティーンエージャーということを視聴者に伝えます。
どんなに超人的な力を持っていても、中身はまだ幼いまま。
この物語は、ピーターという一人の少年が、ヒーローになるまでの第一歩を踏み出す映画です。
思春期の葛藤、私生活とヒーロー家業の大変さ、この2つがピーター・パーカーという人物を通して、等身大で描かれています。
マーベル作品特有の、話のテンポの良さ、大迫力の戦闘シーン、思わずほしくなる魅力的なガジェットも盛りだくさんです。
ネタバレ感想・評価
時系列的には「シビルウォー」の後になりますが、アイアンマンの基本的な知識を知っていれば誰でも楽しめる作品になっているので、アベンジャーズ作品をどれから観ればいいのか迷っている、という方におすすめです。
これまでいくつか「スパイダーマン」という作品は映像化されていますが、その中でも最も若く、最新の技術を持って戦うのが「スパイダーマン:ホームカミング」です。
世界観をアベンジャーズと共有しているので、話の間に入る小ネタはシリーズファンにとっては嬉しい要素です。
実は今回の敵であるバルチャーは、アベンジャーズシリーズの第一作、ニューヨーク決戦の被害者なのです。
戦いの後の後始末を任されていましたが、それをトニーに奪われてしまい、家族や部下を養うことができなくなるという、現代社会特有の背景は思わず感情移入してしまいます。
地球を守るために戦ったアベンジャーズですが、結局のところ全ての人々を救うことはできなかったと考えると、この作品をまた違った側面から見ることができます。
続編への期待・伏線
マーベル作品といえばエンドロール後のおまけ映像です。今回のおまけ映像は、作中に出てきたキャプテンアメリカのビデオの撮影風景が流れるというなんともコミカルなもの。
そして最後には、黒い画面に白い文字で「スパイダーマンは帰ってくる」という意味深なメッセージが流れます。
これまでも同じような手法をとってきたマーベル作品なので、続編はほぼ確定と言っていいでしょう。
続編への伏線は、スパイダーマンシリーズでメインヒロインを務めるMJの登場です。
今回のヒロインはリズでしたが、父であるバルチャーの逮捕に伴いピーターの元を去っていきます。
MJの存在はスパイダーマンにとって欠かせないものです。物語の最後、意味深に登場してきた彼女に、今後は注目が集まります。
今後のアベンジャーズシリーズの鍵となる作品
アベンジャーズシリーズの中でも新しい作品ということで、今後のシリーズを大きく左右するであろう内容が盛りだくさんです。
最新技術を駆使した映像は、従来のマーベル作品の中でもトップクラスの迫力があります。
主演のトム・ホランドの演技力は思わず感情移入してしまう名演技で、スパイダーマンとして成長していくピーターから目が離せません。これからアベンジャーズシリーズを見たいという方にもおすすめの作品です。