ここ最近麻雀に関するエントリが増え、様々なコメントを頂いております。
「ふむふむ、なるほどわからん」という声が一番大きいように感じられましたので、本気を出して麻雀のルールから書いてみようと筆を執っている次第なのですが、まぁこれが進まない。
超大作になること間違いなし。こんなの誰が読むんかいっ!ってな感じです。
ここで少し発想を変えて、「麻雀アニメの解説をしながら興味を持ってもらいつつ理解を深めてもらうのはどうか?」と。
というわけで!アカギも良いですがガチ度が高過ぎるため、みんな大好き可愛い女の子が沢山出てくるあのアニメ「咲 -Saki- 」を解説してみます!
咲 -Saki- で麻雀を学ぼう!第1話の解説!
第1話「出会い」のあらすじ
わけも分からず麻雀部に連れて行かれ、麻雀を打つ事になった咲。そこには小川のほとりで出会った少女、和がいた。結果、対局は和の勝利で終わったが、咲の打ち方に疑問を感じた和は、もう一回打って欲しいと願う。
あらすじはこちら。
ショートカットの女の子(咲)がナイスバデエな女の子(和)と出会い、そのまま麻雀を打つという流れです。
ちなみに私は部長推しです。(分かる人には分かる、中の人がごにょごにょ…)
以前作成して頂いた麻雀アイコンも咲の部長をイメージしてもらいました。
麻雀関連の記事にはたびたび登場します!
さて、前置きはこの辺で早速麻雀についてお話ししていきましょう!
簡単な事前ルールの確認から
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
何やかんやあり、麻雀の卓に着席する咲(手前のショートカット)。
この雰囲気は忠実に再現されていて、実際の全自動麻雀卓はこのような感じになっています。
自分の右側(もしくは左側)のイチョウの葉みたいな形をした台に飲み物や食べ物、タバコの灰皿なんかを置いたりします。
そして早速京太郎(右側の金髪)が「25,000点持ちの30,000点返し、順位点は無し」と説明します。
麻雀は点数(点棒)を競うゲームですから、この点数が全てを決定します。
点棒はこんな感じのやつですね!
最初の持ち点が25,000点、ゲーム終了時点で30,000点を超えていればプラスの得点となる。というものです。
そして最終的に決定した順位に応じて与えられるご褒美のようなものが順位点です。
少しややこしいのですが、ゲーム終了時点の点棒+順位点に応じて各人にスコアが決定されます。
細かいことは今後勉強していくとして、とにかく点数が30,000点以上となることを目指しプラスの点数を叩きだすことが目標ですね!
対局開始!早速鳴きが入る!
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
タコス娘こと優希が積極的に仕掛けていきます。
麻雀は反時計回りに牌を引いて、捨ててを繰り返していきます。
そしてこの「チー」は自分の左に位置する人が捨てた牌をもらうことが出来るというものです。一枚引いた(もらった)ため、一枚場に牌を捨てます。
「チー」や今後解説する予定の「ポン」をすることを、「鳴く」と言います。
また、鳴いた状態ではリーチをかけることができません。そのため、しっかりと役を作る必要があります。
本当に麻雀をやったことが無いという方は、まず「チー」や「ポン」をせずに基本のあがり形作りに専念して、リーチをかけてみると良いと思います!
積極的な鳴きは手を早く進めることが出来るため、イケイケな攻めの麻雀が好きな方が多用する傾向にあります。ただ、その反面防御に弱く点数をばらまく傾向にもあります(笑)
まさのこの娘はそのタイプの性格、そして打ち手ということになりますね!
このケースでは、丸い模様が描かれているピンズの5と7が手持ちにあり、左の人が6を捨てたため牌をもらったという形になります。
字牌とピンズの牌を集めていることが予想されるため、ホンイツという役を狙っている可能性が非常に高いです。
つまりは、字牌とピンズを捨てると危険ということ。役と相手の状況を把握できていれば、こうした簡単な予測も可能です!
以前解説したおそ松さんの回で言うと、おそ松やトド松のタイプになるかもしれませんね(笑)
そして優希がロンであがり!
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
こちらの画像は咲の手牌。見えていない部分は漢数字が描かれている牌であるマンズの9が2枚。
この手牌から、何故かピンズの3を場に捨てます。
普通の打ち方であれば、3枚1セットの形が出来上がっているピンズの3(ピンズの345で1セットが完成している)を捨てる選択肢はありません。
そして「ロン!」と発声がありました。
先ほど「チー」をしていた優希がホンイツ(字牌+同じ種類の牌のみで構成されている場合の役)であがりました。
「ロン」というのは役がある状態で相手が捨てた牌が最終的に欲しい牌である際のあがりを意味する発声です。
今回の優希のあがりはホンイツという役があり、欲しい牌を咲が捨てたため「ロン」であがることができました。
もちろん、欲しい牌を自分で引いてもあがることができます。
その際の発生は「ツモ!」になりますね!
さて、展開に触れておくと、明らかにホンイツを狙っていると分かるにもかかわらず、ピンズの3を捨てるという打ち方には何故?と疑問が頭に浮かんできます。
また、展開が進む際にも自ら役をつぶしてしまうような打ち方をしていて指摘されているシーンもあります。
その答えは、終盤に明かされることになります。
1回目の結果はこちら!
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
そして対局が終了!結果はこちらの通りです。
2位~4位の人の持ち点の百の位を丸めて(五捨六入)し、そこから30,000点を差し引きます。
それらの合計が1位のスコアとなります。
2位 優希:32,000 - 30,000 = +2
3位 咲 :30,000 - 30,000 = ±0
4位 京太:5,000 - 30,000 = -25
よって、
1位 和 :+23
という結果になります。
この辺は分かる人が一人いれば良かったりするので、初心者はスルーで良いです!
(いずれはこの辺の計算もしながら打ち方を柔軟に変えていけるようになりましょうね!)
そしてサクサクと展開し、2回目の結果がこちら!
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
先ほどと同様の計算をし、結果は画像の通り。
ピンク髪、強いですね・・・。そして咲の連続プラスマイナスゼロ。
金髪はもう雑魚キャラとしての扱いなのでしょうね(笑)
3回目の対局で明確に違和感が・・・。
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
私の推しメン、部長こと竹井 久の登場です。
今回はヤ○チャ的な解説ポジションです。麻雀って打つだけではなく、後ろから見るのも面白いんです。これを語ると長くなるのでここでは割愛しておきますね(笑)
ということで、画像の手牌を見ていきましょう!
マンズ、ピンズ、ソウズ(竹の絵柄)でそれぞれ678のセットが出来ていましたよね。
この役を三色同順と言い、美しい役として人気の高いものです。
また、2~8までの牌のみで構成されたタンヤオという役も同時に成立しています。
が、しかし・・・、それら2つの役を同時に潰す手を打ちます。
それが、マンズの6を切って、マンズの9を手牌に入れるというもの。
意図的に点数を下げるような打ち方に、部長は疑問を感じます。そのまま打ち続けて、気付けば3回目の対局も咲はプラスマイナスゼロという結果に。
運の要素が大きく絡む麻雀において、ここまで厳密に点数を操作することは非常に難しいです。これが意図的なものであるなら、同卓している他者とは圧倒的な力量差があって、場を完全にコントロールしていると言えます。
というところで、作中のシーンは変わります。
プラスマイナスゼロを意図的にやった理由
今さらですので、サラッと。
家族麻雀で角が立たないように打っていたら自然とこうなった
流石にこれは無理があるwww
と、一言だけツッコミを入れておきます。
雨の中びしょ濡れの制服で何かを揺らしながら走る和や、咲のお風呂シーン、ワカメの登場等を経由し、仕切り直しで対局を始めます。
この辺の展開は是非本編をご覧下さい(笑)
仕切り直しの対局は東風戦!
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
1回~3回目までの対局は半荘(ハンチャン)と呼ばれる、親となる順番が2回やってくるゲームでの対局でした。
そして今回はその半荘のさらに半分の東風と呼ばれる、自分の親が1回のみのゲームでの対局となります。
簡単に言ってしまえば、短期決戦!ということですね。
その分、よりスピードや一撃の重さがポイントとなってくるため、半荘とは違った戦略性のあるゲームです。
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
そして麻雀において重要となる要素、赤ドラが登場!
「ドラ」とはあがった際に持っているだけで点数があがるおまけのようなもの!とお考え下さい。ドラはあくまでもおまけで、それそのものが役となるわけではありません。
ドラは毎回変わり、ランダムな牌1種が選択されますが、この赤ドラだけは固定となります。
麻雀は同じ牌を4つ使うため、ランダムな牌1種の4枚+画像の赤ドラ4枚で合計8枚のドラが存在することとなります。
ドラが多く存在する麻雀は点数移動が激しくなる傾向にあります。つまりは、一発のあがりが重くなるという事ですね。となると、スピード重視で重い手をかわしながら立ち回る・・・、なんて戦略も生まれるわけです!
赤ドラを入れる麻雀は好き嫌いが結構はっきりとしていますが、個人的には大好きです!
そして対局開始!
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
そしてまた本編へと話を戻しましょう。
今回のルールは短期決戦かつ場の荒れやすい赤ドラを導入することにより、よりプラスマイナスゼロにし辛い状況にするといった意図があります。
そして思惑通り、早速タコス娘が先制のあがりを決めていきます。サクサクとした展開は東風戦ならではですね。
その展開の中、初心者にとって完全にはてなとなるであろう、専門用語が飛び交います。
ピンピンロク、メンホンツモチュンドラ1サンゼンロクセンの一本付け・・・ナニソレ?
この辺は思い切ってスルーしましょう!詳細は今後解説していこうと思います。
ちなみに、前者は親の30符4翻(60符3翻)の点数、後者は子の跳満ツモで役を伝えた上で1本場分の点数を要求しているものになります。
意味不やんけ!となりますよね(笑)
大丈夫です、いずれはこの辺もばっちり理解できるように記事を書いていきますので!!
そして迎えるオーラス!
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
さて、オーラスとなります!
これまた用語の解説となりますが、オーラスとは和製英語になります。
意味は何となくお分かりかと思いますが、最後の勝負!という感じですね。
麻雀において半荘戦の場合は南4局、東風戦の場合は東4局のこと。語源はAll Last(オールラスト、「全ての終わり」の意の和製英語)から。オーラス前の局(同じく南3局、東3局)はラス前(ラスまえ)と呼ばれる。基本的にオーラス終了後は対局終了となり「ラスト」と呼ぶが、流局や連荘のルールに従って、「最後の1局」にならない場合もある(その後はオーラス1本場、2本場…と呼ぶ)。
そして咲がプラスマイナスゼロとなるためには、この点数から29,600~30,500点のわずかな範囲に入る点数であがらなければなりません。
これを意図的に操作することがどれだけ難しいのか・・・。
そしてそんな中でプラスマイナスゼロを目指して手を作っている咲に、意地が悪いとも言えるリーチを和が宣言します。
リーチを行う際には、場に1,000点を支払わなければならないため、更に状況が変化し、プラスマイナスゼロにする条件が厳しくなります。
最終局面で求められる条件、それが70符2翻となりました。符や翻はその手の強さとお考え下さい。
作中にも言及がありましたが、70符の手の出現確率は0.1%~0.2%とも言われています。そこから更に2翻に限定されるとなると、途方もない確率です。。
つまりは強すぎず弱すぎずの調整が極限まで厳しくなっていると解釈して頂ければ!
そして最終局面、演出が本気を出します!
嶺上開花(リンシャンカイホウ)でキメる!!
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
牌が光ります。
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
目も光ります。
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
雷が落ちます。
(出典元:清澄高校麻雀部、原作:小林立)
あがりです\(^o^)/
ということで、嶺上開花という役で華を飾りました。
この役の出現確率は0.2~0.3%と言われています。
もう数値的な条件はよくわかんないです\(^o^)/
役をざっくり説明してみます。
同じ牌を4枚そろえた時、「カン」というアクションを起こすことが出来ます。
4枚揃えたことを相手に示し、リンシャン牌と呼ばれる普段は引くことの無い場所から特別に牌を1枚引くことが出来ます。
上記画像のうち、一番最初に光っていた牌の場所ですね。
そして、その引いたリンシャン牌であがった場合のみ、この役が成立します。
既にお分かりかとは思いますが、同じ牌を4枚揃える必要があり、かつ既にあがれる状態まで手牌を育てておく、そしてリンシャン牌その1枚であがるという超高難易度な役です。
これを意図して実行し、プラスマイナスゼロを実現したという結果で1話は終了しました。
ここまで解説しておきながら
このアニメ、参考にならねぇ・・・!!!というのが正直なところです(笑)
今回は1話ということもあり、作中でも割と解説が多くありました。ただ、最初だけの親切設計というやつです。1話後半の怒涛の展開、あれがデフォルトとなっていきますから・・・。
とは言え、麻雀って楽しそう!そんな雰囲気はつかめると思います。
「麻雀知らないし、このアニメ見ていないんだわ」そんな方はもったいない!何となくで全く問題ありませんから、是非興味を持って頂けると私も嬉しいです!
ちなみに、咲は映画実写化もしています。内容は見てのお楽しみです・・・。
私は正直見るのがつらかったですがっ!!!(笑)
イラスト:mokaさん(id:kiitos-moi)